【日本株需給動向】~外国人売り越しも株価上昇
~どこまでも主体性がない日本株~
11月8日のに本株市場は、前日に米株が大幅上昇した流れから上昇。日経平均は400円高となり23000円も視野に入ってきました。しかし、主体性のない上昇です。前日の米株上昇は米中間選挙を受けての上昇とみられますが、米中間選挙の大勢が決したのは昨日の日本株取引時間中です。上昇するのであれば昨日のうちに上昇してもおかしくはないはずですが、米国株に先を譲った形となりました。
昨日から今日にかけての日米株式市場を見るだけで、日本株の上昇は米国株次第だということがわかります。実際、近年の日本株の値動きは米国株の上昇とドル円相場で9割説明できるため、日本の経済指標や業績を見る必要はありません。その意味では、日本株市場は主体性を失ったマーケットといえます。
~10月最終週の投資部門別売買動向~
10月最終週は日経平均、TOPIXともに上昇した週でしたが、海外投資家は売り越しでした。代わりに信託銀行の現物買いが大きくなっており、年金のリバランスが入った可能性があります。日米ともに株価指数が大きく下落したことを受けて、組み入れ構成を調整するために買いを入れたとみるのが妥当でしょう。このように、年金などの長期投資家が売買する場合はたいていの場合アクティブ(市場の先を見越して能動的に売買する)ではなくパッシブ(市場の変動に対応してポートフォリオの組み入れを調整する)に動きます。
<海外投資家の売買推移(億円)>
現物 先物 合計
2018年8月第5週 483 4,914 5,398
2018年9月第1週 -5,279 -5,320 -10,600
2018年9月第2週 -2,819 4,164 1,345
2018年9月第3週 2,770 12,197 14,968
2018年9月第4週 3,770 -2,058 1,712
2018年10月第1週 5,757 -1,370 4,387
2018年10月第2週 -3,290 -14,990 -18,281
2018年10月第3週 -2,120 -9,042 -11,163
2018年10月第4週 -3,174 -9,887 -13,061
2018年10月第5週 262 -4,900 -4,638