斎藤さんの投資ブログ

斎藤さん(20代)の株式投資ブログ

【原油価格動向】~原油価格が8か月ぶりの安値

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~60ドルを割れたWTI原油先物

 原油価格が急落し、久々に60ドル/バレルを割り込みました。これまで原油価格は、①米国によるイランへの経済制裁ベネズエラの供給不安、②世界景気の拡大を前提とした需要増加を理由に上昇してきました。しかし、ここにきて世界景気の先行き減速感が意識されていることや米国の原油生産量が増加していること、原油在庫が増えていること、イランに対する経済制裁も適用除外措置を設けるなどの配慮がみられることなどが意識され、原油の需給緩和懸念が広がり、原油価格が下落基調となっています。

 

 

 原油相場は10月高値から2割下落し、定義上は弱気相場入りしています。これは世界的な景気減速、ないし後退を意味しているのでしょうか?現実問題としてその可能性はあります。10月にIMF国際通貨基金)は18年の世界経済成長率見通しを3.9%⇒3.7%へ下方修正しました。19年も同様に0.2%下方修正し3.7%としています。さらにIMFは米中貿易摩擦が長引けばさらなる下振れリスクもあると警告しており、予断を許さない状況です。

 

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原油は弱気相場入り

~過度な弱気は不要~

 後出しじゃんけん的になりますが、11月以降の原油価格下落に関しては予測が立つものでした。産油国の供給不安を要因に上昇していた原油相場ですが、米国のイランへの経済制裁は11月開始とアナウンスされていたため、これが実現すれば既存ポジションの巻き戻しが進むと考えるのが妥当だからです。

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 とはいえ、原油関連の株を持っている投資家は過度に悲観的になる必要はありません。米国の除外措置は180日限定のものであり、対外強硬姿勢を強めるトランプ政権がこれを伸ばすかは不透明です。また、過度に原油価格が下がればOPECが協調減産で介入する可能性があります。世界景気に関しても正確に予測するのは困難で、株価を当てるよりずっと易しいはずの経済見通しを、かなりの頻度でIMFが外してくるのは有名です。石油関連株は市場の評価が低いため配当利回りが高いことが多く、投資家は粛々と再投資を続ければ上昇相場でリターンを最大化できます。

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原油が大幅に下落しても株価は堅調