【日本株需給動向】~海外投資家の売り越しが株価急落を主導
~急落局面に慌てることはない~
25日の日本株は見事な下げ相場となり、米株市場の急落にキチンと巻き込まれて大幅安となった。今月に入ってから日米株式市場で乱高下が続いていることから、目先は落ち着きどころを探る慎重な見通しが台頭し、買いが手控えられることも考えられよう。一方で個人の資産形成層は、このようなタイミングでこそ積立投資を継続し、粛々と保有株数を増やすことで反発局面におけるリターンを最大化することができる。
25日に東証、大証が10月第3週(15~19日)の投資部門別売買動向を発表した。同じ週の日経平均は前週末比162円安(-0.71%)、TOPIXは10ポイント下落(-0.58%)である。近年の短期的な日本株の騰落は海外投資家に左右されているが、株価下落から推測できる通り、海外投資家は現物・先物合わせて1兆1163億円の売り越しという結果だった。前の週(約1.8兆円の売り越し)には及ばないものの、1兆円を超す売り越しである。しかし、その内訳をみると現物の売り越しが2120億円に対し、現物は9042億円となっており、大部分が先物の売りだったことがわかる。このような先物の売買は最終的には反対売買でポジションを解消する可能性が高いため、日本株は嵐が過ぎ去った後は買い戻し圧力が働くことが期待されよう。目先はリスクに対してセンシティブな動きとなるだろうが、長期投資家が狼狽するような局面でもなさそうだ。
<海外投資家の売買推移(億円)>
現物 先物 合計
2018年8月第3週 -3,449 -3,518 -6,968
2018年8月第4週 -840 2,192 1,352
2018年8月第5週 483 4,914 5,398
2018年9月第1週 -5,279 -5,320 -10,600
2018年9月第2週 -2,819 4,164 1,345
2018年9月第3週 2,770 12,197 14,968
2018年9月第4週 3,770 -2,058 1,712
2018年10月第1週 5,757 -1,370 4,387
2018年10月第2週 -3,290 -14,990 -18,281
2018年10月第3週 -2,120 -9,042 -11,163