斎藤さんの投資ブログ

斎藤さん(20代)の株式投資ブログ

【Ghosn has gone】~日産自動車、ゴーン時代に幕

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ゴーン会長は高額報酬で話題になることも多かったが、、、、

カルロス・ゴーン会長が逮捕

 11月に入り2018年も終わりが見えてきた感がありますが、昨日19日、突然衝撃のニュースが日本を駆け巡りました。日産自動車の名物会長「カルロス・ゴーン」氏が、東京地検特捜部に逮捕されたのです。容疑は有価証券報告書の虚偽記載(自身の報酬を過少申告)や会社資金の私的な流用などが報道されており、今後さらに広がる可能性もあります。

 

 当日欧州時間の取引では、日産の親会社である仏ルノー株が2桁%の急落。翌日の国内株式市場では、日産自動車(7201)が-5.45%と急落し、同社とアライアンスを組んでいた三菱自動車(7211)や日産自動車向けの部品メーカーにも売りが波及しました。もともと自動車関連銘柄は、米国の(というよりトランプ大統領の)強硬的な外交姿勢や、北米自動車市場の減速感が嫌気され、軟調に推移してきましたが、今回の逮捕を受けて日産自動車(7201)株主はさらなる打撃を受けた形です。

日産自動車(7201)株価の推移>

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 投資家が注目する配当の行方

 今回の事件は、日産自動車社内の内部通報をきっかけに、数か月にわたる社内調査の末明らかになったとされています。カルロス・ゴーン氏本人の認否は20日時点で不明ですが、メディアの報道からわずか数時間後には「日産自動車の取締役会が会長解任を提案」と報道されており、構図としては西川廣人社長を中心とする取締役会が、ゴーン氏を追い出した形といえそうです。既にテレビキャスターから元野球選手まで様々な立場の人がコメントを発していますが、投資家が気にしているのは日産自動車(7201)の株価見通しと配当でしょう。

日産自動車(7201)配当の推移>

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 もともと日産自動車(7201)は、北米自動車市場減速の向かい風を受け、業績は芳しくありませんでした。その中で同社は、その配当利回りによる魅力が株価を支えていたといえます。株価急落前の19日終値時点でも、予想配当利回りは5.67%と自動車競合各社と比較して高い水準です。株価に関しては、20日の市場の反応通り下落し、事件が長期化する可能性もあることから、当面は調整・膠着が避けられないとみてよさそうです。では、配当についてはどうでしょうか?

 

 

 実際のところ、日産自動車の経営陣はこれまで日産自動車(7201)の株価が配当利回りによって支えられてきたことを認識しており、その株価形成を快くは思っていないようです。彼らは、今後日産自動車株が、企業価値向上を評価されるような企業にしたいと考えている節があるため、配当や自社株買いを見込んでいる株主の立場からは警戒が必要です。配当は取締役会(経営陣)の判断を受けて株主総会で承認される形で決まりますが、日産自動車の親会社である仏ルノーの対応も含めて、不透明感が残るでしょう。

<株主構成>

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 どのような結果となるにせよ、投資家は経営陣の新たな方針や、配当を含む株主還元、および資本政策を含めて、西川廣人社長の経営手腕を注視する必要がありそうです。

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