斎藤さんの投資ブログ

斎藤さん(20代)の株式投資ブログ

【つみたてNISA】つみたてNISAの普及が進めば貧富の差はますます開く

 

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NISAの恩恵を受けるのは一握りの投資家層か

 

【つみたてNISA拡大は限定的】

金融庁が発表したデータによると、今年1月から始まった「つみたてNISA」の口座数は6月末移時点で68万口座(3月末時点50万口座)に達し、買付金額も305億円(同110億円)へと拡大しているようです。また22日の日経新聞には、「つみたてNISA」の口座数100万口座が視野に入る、と報道されています。しかしながら、3か月で18万口座程度しか増加しなかったことや、本家のNISAでも口座数の増加が限定的なものになっていることを踏まえると、現時点では拡大余地は限られていると見たほうがよさそうです。

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「つみたてNISA」の口座数と買付金額が増加

そもそも「つみたてNISA」は通常のNISAと同時に使うことができません。6月末のNISA口座数も同時に発表されていますが、こちらは既に1000万口座を超えており、かなり浸透している様子がうかがえます。この上さらに「つみたてNISA」が浸透するためには、NISAがリーチできなかった投資家のレッドオーシャンを往かなければならないため、普及は限定的なものにとどまる公算が大きいです。

 

 

日本株の需給改善にプラスになる点は高評価】

 「つみたてNISA」は評価できる点もあります。それは非課税枠が20年間設定されることに加え、投資枠が年間40万円しかないため、利用者は必然的にバイ&ホールドによる長期投資を強いられる点です。これは需給面から見ると非常に効果的で、「つみたてNISA」を売りを出さない投資主体とみなすことができます。株価のトレンドを生み出すのはこういった一方方向の取引のみを行う投資主体のため、「つみたてNISA」による日本株投資が定着すれば上昇トレンドの支えになるでしょう。

 

 「つみたてNISA」の需給効果を試算すると、口座数100万口座(将来の見込み)に対して年間40万円の資金流入が見込めるため、年間4000億円の買付効果になります。日銀の買付は年間5.7兆円のため、比較するとかなり規模が小さい印象です。本格的に需給改善に貢献するには、1000万口座ほど(買付金額4兆円)あれば非常に心強いと思います。それら口座が株価上昇局面でも売りを出さなければさらに強力な需給改善効果を発揮するでしょう。

 

【投資家とそうでない者の貧富の格差がますます開く】

 「つみたてNISA」の拡大による株式市場への資金流入は、現時点ではまだ効果が出るものではありません。しかし今後、普及が想定以上に進んだ場合、先に始めていた投資家がより有利に、より大きな富を享受できるということはいうまでもないことです。それはつまり、投資家とそうでない者の差が拡大することを示しており、投資を自分のものとして考えている富裕層と、政府に尻を叩かれても動かないアホ貧困層の格差がますます開いていくということです。

 

 今回公表されたデータでは、「つみたてNISA」が20代の投資家層の伸びによって口座数が拡大して事実が明らかになっています。買付金額の増加率も20代が最も伸長していたことからも、今後は若い投資家が積立投資によって株価上昇の資産効果による恩恵を受ける可能性が高いという点は、喜ばしいデータです。今後若者を中心に投資文化が一層広がり、誰もが経済成長の恩恵を受ける社会になるといいですね。将来的にはこの6か月で「つみたてNISA」を始めた68万口座の保有主と、投資を他人のものとみなす愚か者の格差が開いていくことになるのでしょう。