斎藤さんの投資ブログ

斎藤さん(20代)の株式投資ブログ

【決算レビュー】~国内最大の産業機械メーカー、ファナック(6954)の決算発表

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~29日引け後にファナック(6954)が決算発表~

 29日の引け後にファナック(6954)が18年4-9月期決算を発表しました。内容は悪かったです。受注高はQoQ-14%、売上高はQoQ-11%と前四半期から後退。経常利益は同-17%となりました。受注高、売上高、経常利益の減少が続いており、総じて冴えない決算だったといえるでしょう。

<受注高、売上高、営業利益の推移>

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~地域別業績評価~

 同社のような設備投資関連の企業で、最も重要視されるのが受注動向です。貿易摩擦の影響から注目が集まる中国向け受注は、QoQ-46%の220億円となりました。貿易摩擦の影響を含め、1Qからの鈍化が続いています。アジア(中国を除く)向けの受注はQoQ-17%の250億円でした。こちらも1Qから見られた減速傾向が続いており、企業の投資が先送りされている様子が見て取れます。

<中国、その他アジア地域の受注動向>

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 先進国の受注動向もイマイチです。欧州向けの受注はQoQ-7%の303億円となりました。米州向けの受注はQoQ+10%の310億円となりました。中国やアジアと異なり、先進国向けの受注は大きな変動がみられません。しかし、逆に大きく伸長する業績の牽引役にもなりにくいです。国内の受注動向には大きな変化が見られないため、今のところ堅調が続いているようです。

<欧州・米州・国内の受注動向>

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~先行きの見通しについて~

 同社は決算と同時に売上高をYoY-14%の6260億円、営業利益を-34%の1509億円に下方修正しました。為替が下期1ドル=100円前提のため、そこだけ切り取れば保守的といえます。しかし、四半期業績が受注を含めて底入れの兆しが見えないため、年度後半にかけて再度下方修正するリスクを株価が織り込みに行く可能性があります。同社の株価は年初来下落基調が続てきましたが、今回の決算で受注減少が底を打った兆しはありません。下落基調からの短期的なリバウンドは考えられますが、反転し上昇トレンドを取り戻すのはまだ先になりそうです。

ファナック(6954)の株価推移>

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