【決算プレビュー】 日本電産の決算が23日に控える
日本でも決算発表が始まるため、プレビューをしていきます。今回は23日に決算発表する日本電産です。日本電産は世界を代表するモーターの総合企業で、創業者である永守会長の強いリーダーシップと世界トップシェアの製品群に定評があります。また、日本企業には珍しく巧みなM&A戦略で、事業を拡大させています。
世界トップのシェアを抱える同社の業績は、近年の世界経済の拡大の追い風もあり好調です。同社は今後の重点戦略を「車載向け」、「ロボット向け(家電等に含まれる)」などの4分野に絞り、さらなる事業拡大を図っています。
こちらは同社の売上高と事業の競争力を示す営業キャッシュフローマージンの推移です。おおむね10~15%の水準で推移していることがわかります。世界トップシェアを抱える同社は、その優れた競争力で高い収益性を保っているためです。しかし、今後もその収益性が保たれるかはわかりません。
同社のフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたもの)は不安定で、17年3月期のように赤字を計上することがあります。事業拡大のためにM&Aを活用してきたため、投資が各年ごとにガタガタしているためです。
これまでは同社の企業業績は拡大基調で推移し、投資家からも評価されてきました。株価は足元で調整していますが、今後の成長ビジョンが投資家に信任されれば上昇基調に復帰するとみられます。そのシナリオをメインに考える場合は、今回の調整局面は押し目買い局面と考えることができそうです。ただし、投資家のセンチメントが悪化する中で業績が市場予想に満たない場合、調整が長引く可能性が高いため投資家は注意が必要でしょう。