斎藤さんの投資ブログ

斎藤さん(20代)の株式投資ブログ

日本株が米株化してきた??近年の連動傾向の理由は??

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米株に似てきた日本株

 米国株式市場は世界一の規模を誇り、世界経済の状況と先行きを示すため、投資家がまず始めに注目するべきマーケットです。それは、米株が過去100年以上にわたる継続的な上昇トレンドによって、投資家に恩恵を与えてきたことからも言えることです。日本人も、投資初心者の方は先ず米国株式市場に投資することを検討するのがよいでしょう。日本株よりも報われる確率が高いはずです。

 

とはいえ日本人が投資を始める場合は、日本株からスタートすることが多いはずです。私もそうでしたが、外国株式は手数料が高かったり、為替の影響を受けたりするため、慣れたら外株を始めようと考えている人もいるでしょう。

 

 

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日本株(青)と米国株(赤)の推移

そんな投資ビギナーにとって、足元の日本株相場は都合がよい動きとなっているようです。というのも、日本株の動きは段々米国株に似てきたからです。上のグラフは日本株の代表「日経平均」と米国株の代表「ダウ平均」の比較チャートです。日経平均は円建て、ダウはドル建てなので単純比較はできませんが、両者のチャートは似た形状になっていることが判ります。特にここ数年はその傾向が顕著で、投資家は米株の動きや物色を見て翌日の日本株の動向を予想します。米国株の好調な推移は、そのまま日本株に当てはめることができるようになってきているのです。

 

 

このような傾向が顕在化してきた背景は様々なものがあると思います。例えば、グローバル運用におけるポートフォリオのリバランスです。米株、欧州株、日本株、といったポートフォリオの内訳を一定以内に収めようとすると、大抵は米株が上がりすぎるため、他の資産の構成比が小さくなります。これを修正するため、米株の一部を売って日本株などを買うというわけです。この場合、株式に集まる資金のうち、リスク分散を目的として米国株から一部の資金が日本に入ってくることで、国内の景気や企業業績に関係なく、米国株が上がればそれだけ日本株も追随するという構図になるでしょう。

 

また、需給要因に注目すれば、米株が自社株買いという支えがあるのにたいし、日本株は日銀が買い入れをしています。自社株買いも日銀買いも売りに転じることがないため、継続的な株価の上昇に繋がりやすくなります。

 

他にもいくつかの理由により、日米株式の連動性が強まっているようです。そしてこれは、日本株投資家にとってとても都合がいいことです。米株に投資するがごとく、日本株に投資できるのですから。とはいえ問題は

 

長期的にこの傾向が続くのか??

 

ということです。長期的に続くのであれば、日本株への投資はもはや米国株並みに魅力的といえるでしょう。一方短期的なものであれば、やはり米株の魅力にはまだまだ敵わないということになります。

 

個人的な意見としては、長期的に見れば日本の株高の持続可能性には疑問を持たざるをえません。それは米株の買い手が企業自身で、経済成長の果実を株主還元として出資者に分配しているのに対し、日本株の買い手は日銀で、経済成長の恩恵を分配しているとはいえないからです。健全な市場であれば、儲けた企業でないと還元ができず、市場から退場します。還元できない企業は買収されたり、最悪の場合倒産したりして市場から退出します。この仕組みによって市場に出回る株式の品質が保たれるわけです。しかし、日銀が株を買うとその仕組みが歪められてしまう恐れがあります。本来評価されることのないクソ株も、東証一部にいるだけで日銀が買うため、株価が下がりません。このような歪な仕組みは長続きしないでしょう。日本株の買い手が日銀から企業に移れば、日本株市場も米株市場のように健全な新陳代謝が生まれるかもしれません。そうなる日が来ることを祈っています。

 

まぁ投資は自己責任なんですけど?