斎藤さんの投資ブログ

斎藤さん(20代)の株式投資ブログ

【トランプ君 首の皮一枚つながる】~政治イベントは意外と大事かも?

~米中間選挙日本株が揺れる~

 11月7日のに本株市場は、米中間選挙の動向に正に一喜一憂する展開となりました。投資家の注目は下院の行方です。民主党優勢と伝われば円高株安が進み、共和党優勢と伝われば円安株高に動きました。結局事前の予想通り民主党が下院を制しましたが、日経平均は前日比61円安で取引を終えました。

 

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 ちなみに取引時間終了後はユーロ高が進み、ドルが売られています。ドル円はドル売りのあおりで円高に振れていますが、リスク回避というよりはドルの買建ポジションの巻き戻しの意味合いが強そうです。ユーロ円でみるとユーロ高円安に動いているのがわかります。材料は、どうやらアイルランド首相がイギリスのEU離脱に関して目途がつきそうだと明かしたことが影響しているようです。

 

~海外投資家のポジションがクローズされるか?~

 米中間選挙などの政治イベントは、株式相場において長期のトレンドを作り出すものではないため、長期投資家は気にする必要のない事象です。しかし、短期投資家にとっては大問題かも知れません。というのも、16年の米大統領選、17年の衆議院選挙のあと、海外投資家が株式を買い戻し、短期的な株高を作ったからです。

 

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 当時は米株の上昇も伴っていたため株高に拍車がかかったと考えられますが、7日NY時間の米株次第では、同じように日本株も上昇再開となる可能性があります。今年は、これまで海外投資家が先物の売りポジションを積み上げ、特に10月は途方もない金額を売り越したため、この先物ポジションが反対売買でクローズされるだけでも日本株は大幅な上昇になります。

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【為替市場動向】~最近円高にならない件について

~株安のわりに円高にならない~

 ドル円相場は、日米の株式や債券市場(金利)と密接に関係しています。金利でいえば、米国の長期金利が上昇すれば、米国債券を保有するメリットが意識され、米国債を買うためにドルが買われ、円が売られやすくなります。株でいえば、日本円はスイスフランと並んで安全資産とみなされているため、株価急落局面では円高が進みやすい傾向があります。

 

 このような傾向が広く知られているにも関わらず、10月の株価急落局面(特に10月下旬)では、これまで見られた円高ドル安が見られませんでした。これはどういう訳なのでしょうか?

ドル円(青)と日経平均(赤)>

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~世界は2種類の通貨を軸に動いてる~

 ドル円が底堅く推移した背景の一つは、欧州通貨ユーロが売られていたことです。世界の基軸通貨はドルですが、欧州通貨のユーロもそれなりの流通量があります。そのユーロが売られる際、買われるのは基軸通貨ドルが中心のため、ドル高の圧力が働き、恐らくは一定程度あった円高圧力を相殺したのでしょう。特に最近は、ユーロ圏の経済指標が弱含む一方、減税などを背景に、米国の雇用や製造業などの経済指標が極めて好調に推移していました。お金というものは経済が好調な方向に流れるため、景況感の格差からドルが買われていたのです。

 <ドルユーロ(下がユーロ安ドル高>f:id:japantokyoikebukuro:20181106200204p:plain

 株安が進んだ10月のドルユーロ相場を確認すると、実際に大きくドル高に傾いていることがわかります。この期間は、ユーロの盟主であるドイツの政治不安やイタリアの財政問題、イギリスのEU離脱を巡る不透明感など、経済情勢以外の問題も重なり、ユーロの売り圧力が強まりました。ユーロ円で確認してみると、ユーロ売りに伴う円高が進んでいるのが分かります。

 <ユーロ円(下がユーロ安円高)>

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~ドルが強いのはいつまで?~

 ドル高は日本株にとって都合がいいため、今の為替環境は日本株の追い風になっています。しかし来年以降、法人減税効果が剥落すれば、いつまでドル高が続くかはわかりません。長期的には米経済の成長を評価した強いドルが続く見込みが大きいですが、短期的には円高の局面が来る可能性は頭に残しておく必要があるでしょう。その時が来た際に、日本株がどのように反応するか注目です。

ドル円(下がドル安円高だが、10月下旬は円安方向へ)> 

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【為替市場動向】~最近円高にならない件について

~株安のわりに円高にならない~

 ドル円相場は、日米の株式や債券市場(金利)と密接に関係しています。金利でいえば、米国の長期金利が上昇すれば、米国債券を保有するメリットが意識され、米国債を買うためにドルが買われ、円が売られやすくなります。株でいえば、日本円はスイスフランと並んで安全資産とみなされているため、株価急落局面では円高が進みやすい傾向があります。

 

 このような傾向が広く知られているにも関わらず、10月の株価急落局面(特に10月下旬)では、これまで見られた円高ドル安が見られませんでした。これはどういう訳なのでしょうか?

ドル円(青)と日経平均(赤)>

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~世界は2種類の通貨を軸に動いてる~

 ドル円が底堅く推移した背景の一つは、欧州通貨ユーロが売られていたことです。世界の基軸通貨はドルですが、欧州通貨のユーロもそれなりの流通量があります。そのユーロが売られる際、買われるのは基軸通貨ドルが中心のため、ドル高の圧力が働き、恐らくは一定程度あった円高圧力を相殺したのでしょう。特に最近は、ユーロ圏の経済指標が弱含む一方、減税などを背景に、米国の雇用や製造業などの経済指標が極めて好調に推移していました。お金というものは経済が好調な方向に流れるため、景況感の格差からドルが買われていたのです。

 <ドルユーロ(下がユーロ安ドル高>f:id:japantokyoikebukuro:20181106200204p:plain

 株安が進んだ10月のドルユーロ相場を確認すると、実際に大きくドル高に傾いていることがわかります。この期間は、ユーロの盟主であるドイツの政治不安やイタリアの財政問題、イギリスのEU離脱を巡る不透明感など、経済情勢以外の問題も重なり、ユーロの売り圧力が強まりました。ユーロ円で確認してみると、ユーロ売りに伴う円高が進んでいるのが分かります。

 <ユーロ円(下がユーロ安円高)>

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~ドルが強いのはいつまで?~

 ドル高は日本株にとって都合がいいため、今の為替環境は日本株の追い風になっています。しかし来年以降、法人減税効果が剥落すれば、いつまでドル高が続くかはわかりません。長期的には米経済の成長を評価した強いドルが続く見込みが大きいですが、短期的には円高の局面が来る可能性は頭に残しておく必要があるでしょう。その時が来た際に、日本株がどのように反応するか注目です。

ドル円(下がドル安円高だが、10月下旬は円安方向へ)> 

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【小話】~日本でも砂糖税やれば ?

~マレーシアで砂糖税が導入~

 マレーシアマハティール政権は2日、2019年以降、砂糖入りの飲料を対象とする「砂糖税」を導入する方針を明らかにしました。背景には、前政権で膨らんだ債務の削減や社会問題となっている肥満への対応があります。

 

 マレーシアはアジアの中でも肥満率が高い国の一つであり、成人のほぼ半数が過体重か肥満となっています。どうやらマレーシアでは飲み物に多量の砂糖を入れることが多く、甘い紅茶の「テ・タレ」などが人気であることからも、肥満が多くなるのは納得できると思います。

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 砂糖税のように、「悪い」とみなしたものに直接課税する方法は、私は結構好きです。一見単純な方法ですが、たばこやアルコールへの課税と似たようなものでしょう。国からしてみれば、税収が増えることに加えて医療費の節減につながるため一石二鳥です。ちなみに砂糖税はイギリスなど一部の先進国でも導入されています。

 

~日本でもやれば?~

 日本も、医療費の増加ペースがヤバめな国として、この政策を導入する余地がありそうです。高齢者の増加とともに日本の医療費は巨額に膨れ上がっており、税収の増加とともに医療費削減が急務です。といっても、高齢者を減らすことはできないので、せめて国民が健康になり、医療費が増えないような政策をとるのは正しい政策だと思います。

 

 以前、何かの記事で某麻生大臣が「『不摂生な人間の医療費を払うために健康な私の金が使われるのは我慢ならん(怒)』という意見には説得力がある」というのを見ましたが、若年層を中心に麻生氏と同じように感じている人は多いことでしょう。実際、このような議論は砂糖税にも当てはまります。甘いものばかり食べて不摂生な生活をしている人間のために、健康に気を付けて生きている人が金を使うことは不公平です。健康のためにお金と時間を使っていたのならなおさらです。ぜひ、日本でも社会保障の公平性と、財政状態の改善を両立した税制を導入してほしいものです。

 

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【米国株決算動向】~アップルが決算発表

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~販売台数が予想未達で株価下落~

 米国で初の一兆ドル企業となったアップルが11月1日、18年4Q(7-9月)決算を発表しました。売上高、営業利益は市場予想を上回ったものの、主力のiPhoneの販売台数は市場予想未達。代わりに単価の引き上げが売上高増加をけん引しました。また、来期の業績見通しに関しても、通貨高の影響等により、市場予想未達となりました。併せて同社は、これまで決算時に発表してきた、アップル製品の販売台数の開示を止めることを発表しています。

 

 

~アップルのモート(堀)は十分に深いのか?~

 同社の株価は決算を受け下落しました。投資家はアップル製品の販売台数を気にしているため、販売台数の非公開化は気に入らなかったようです。一方で、ウォーレンバフェットなど一部の投資家は、アップル製品の圧倒的なブランド力などを理由に、同社を高く評価しています。同社の利益率はスマートフォンメーカーの中でも非常に高く、その地位を脅かされる可能性は少ないと考えているようです。しかし、本当にそうなのでしょうか?

 

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 過去を振り返ると、どのような企業でも市場の競争に巻き込まれなかった企業はありませんでした。自動車で支配的な地位を築いたフォードはGMとの競争に敗れ、そのGMも日本車との競争に敗れています。パソコンで世界を席巻したIBMなどの企業も、家電で世界トップの企業も、市場競争が激化することでトップの座が入れ替わっています。

 

 そのような過去の変化を眺めれば、アップルのブランド力や開発力、顧客基盤といった競合優位性、所謂”モート”も、今後長期的に同社の業績の役に立つかわかりません。アップルにブランド力があることは確かですが、その堀の深さは10mかもしれないし、10cmの深さに水を張っているのかもしれません。バフェットが過去にIBMで犯した過ちを繰り返すことになる可能性は十分にあるのです。

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【米国株決算動向】~アップルが決算発表

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~販売台数が予想未達で株価下落~

 米国で初の一兆ドル企業となったアップルが11月1日、18年4Q(7-9月)決算を発表しました。売上高、営業利益は市場予想を上回ったものの、主力のiPhoneの販売台数は市場予想未達。代わりに単価の引き上げが売上高増加をけん引しました。また、来期の業績見通しに関しても、通貨高の影響等により、市場予想未達となりました。併せて同社は、これまで決算時に発表してきた、アップル製品の販売台数の開示を止めることを発表しています。

 

 

~アップルのモート(堀)は十分に深いのか?~

 同社の株価は決算を受け下落しました。投資家はアップル製品の販売台数を気にしているため、販売台数の非公開化は気に入らなかったようです。一方で、ウォーレンバフェットなど一部の投資家は、アップル製品の圧倒的なブランド力などを理由に、同社を高く評価しています。同社の利益率はスマートフォンメーカーの中でも非常に高く、その地位を脅かされる可能性は少ないと考えているようです。しかし、本当にそうなのでしょうか?

 

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 過去を振り返ると、どのような企業でも市場の競争に巻き込まれなかった企業はありませんでした。自動車で支配的な地位を築いたフォードはGMとの競争に敗れ、そのGMも日本車との競争に敗れています。パソコンで世界を席巻したIBMなどの企業も、家電で世界トップの企業も、市場競争が激化することでトップの座が入れ替わっています。

 

 そのような過去の変化を眺めれば、アップルのブランド力や開発力、顧客基盤といった競合優位性、所謂”モート”も、今後長期的に同社の業績の役に立つかわかりません。アップルにブランド力があることは確かですが、その堀の深さは10mかもしれないし、10cmの深さに水を張っているのかもしれません。バフェットが過去にIBMで犯した過ちを繰り返すことになる可能性は十分にあるのです。

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【米国株決算動向】~アマゾンドットコムが決算発表

【米国株決算動向】~アマゾンドットコムが決算発表

 

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~売上見通しが予想未達で株価下落~

 米国でアップルに次ぐ1兆ドル企業となったアマゾンドットコムが10月25日、18年3Q(7-9月)決算を発表しました。売上高はYoY+29.3%56兆ドル、EPS(一株当たり利益)はYoY約11倍の5.75ドルでした。3QのEPSに関しては市場予想の3.11ドルを上回りましたが、翌4Qの売上高ガイダンスは665-725億ドルと市場予想の738億ドルを下回りました。ガイダンスはYoY+10-20%に相当するため、これは3Qから大きく減速することを示唆しています。

 

 この減速の背景は、昨年8月から買収したホールフーズの買収効果が一巡すること、有料定額会員「アマゾンプライム」の収益認識方法が変更されることなど、テクニカルな要因です。しかし、同社の株価は売上高の減速を嫌気し、前日比7%近く下落しました。同社のような企業に対して投資家が求めるのは、高い成長率です。今回のガイダンスで4Q、さらには来期の成長鈍化が示唆されたこと受けて株価が下落しました。

 <アマゾンドットコムの株価(日足)>

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~結局はグロース株に戻ってくる~

 さて、今回の決算および株価急落を受けて、同社株を手放してしまった投資家も多いと思われます。同社は配当などの株主還元に資金を使わないため、株価下落局面でも投資家は再投資することができません。同社へ投資するということは、株価下落局面の”痛み”を甘んじて受け入れるしかないわけです。その分のリターンを、株価上昇局面で得られるから釣り合いが取れるのです。

 

 しかし、我慢して同社に投資している投資家は、悲観的になったり、自棄になって投げ売りする必要もないと私は考えています。なぜかといえば、市場を出し抜こうと努力を続けるアクティブ投資家は、結局はアマゾンのようなグロース株に戻ってくるからです。

 

 同社の競合企業といえば、ウォルマート(小売り)やマイクロソフトクラウド)、グーグル(広告)などですが、グーグルやマイクロソフトはさておき、ウォルマートの株価はボラティリティが少なく、短期的に市場をアウトパフォームすることが難しい株です。そのような株に投資しても市場を上回る投資成果を上げることは難しく、ファンドマネージャーとしての評価も高まらないでしょう。なので、嵐が過ぎ去るのを待っていれば、いずれは同社の株が市場をアウトパフォームし始めるとみていいでしょう。

 <アマゾンドットコムとウォルマートの株価推移>

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~上昇トレンドのなかで調整の可能性は常にある~ 

 長期的に同社に投資するのは難しいことですが、だからと言って同社のビジネスが淘汰され、消えゆく可能性があるか?という問いには「その可能性は低い」と答えることができます。それはコンピュータ産業で隆盛を誇り、その後衰退したIBMマイクロソフトが、今もなお投資家から支持を集めていることからわかります。IBMは高い配当利回りが魅力で長期投資のバリューに優れた銘柄であり、マイクロソフトはコンピュータの主役がデスクトップからスマホに切り替わった後でも、クラウド分野で稼ぎを得ています。 

 

 アマゾンも同様に電子商取引クラウドで支配的な地位を築いていますが、いずれはどのような事業も成長が鈍化するものです。しかしその時が訪れたとしても、この5年間で投資してきた別の事業が花開いて同社の企業価値を支えると考えていいでしょう。丁度数年前のクラウドサービスのように。