斎藤さんの投資ブログ

斎藤さん(20代)の株式投資ブログ

【小話】~東芝はさっさと潰れればいいのに、、、

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東芝は自社株買いをするのか?~

 東芝(6502)の株価が急騰しています。同社は日本を代表するダメ企業の一つで、原発子会社が巨額の損失を計上したことを受けて東証2部に格下げとなりました。現在は稼ぎ頭であった東芝メモリを売却し、事業再編に取り組んでいる状況です。ハッキリ言って投資する価値のない会社といえますが、8日の適時開示で自社株の取得(上限2億6千万株、発行済み株式の40%、7000億円)を発表したことから、株価が急騰しました。

 

 現在、東芝の上場株ベースの時価総額は2.5兆円程度のため、7000億円の自社株買いで約28%の金額を株主に還元することになります。これは非常に巨額の自社株買いで、18年4-9月期決算企業の自社株買いの中では最大規模です。ここで株主(投資家)が注目するべきは次の2点でしょう。

  1.  自社株買いを実際に行うのかどうか
  2. 自社株取得方法

 

1については、東証に適時開示を出しているため、虚偽の報告をすれば今度こそ株式市場から追い出されるでしょう。個人的にはそれもアリだと思っています。ただ今回の自社株買いは、東芝に資本を入れて東証に残れるようにアレンジした外資の意見が入っているため、実施される可能性が高いです。彼らが東芝に協力したのは何も東芝のためではなく、東芝メモリ売却で得られる資金を自身に還元するというプランまでが彼らの描いたピクチャーです。よって東芝の経営陣が自社株買いを実施しなければ、彼らをクビにして別の人間を連れてくるはずです。

 

 ~経営者はアメとムチで動いている~

日本の経営者は投資家の方向を見ていないことで有名ですが、それは投資家の方向を見なくてもペナルティがないからです。日本の経営者の多くは現金報酬を受け取っているため、自分の経営で株価が下がろうが懐は痛みません。また、持ち合い株などが多いため株主からのプレッシャーも弱く、信じられないほど株主に無責任な経営者が蔓延っている状況です。その意味では、現在の東芝は外国資本が多く入っているため、株主の経営監視機能が働きやすく、自社株買いなどを通じた株主還元が期待できると考えてよいでしょう。

 

もっとも、自社株買いがされるからと言って株主の旨みがあるかといえばそれはわかりません。2点目に挙げている通り、東芝の自社株買いの方法はToSTNeT3と呼ばれる市場”外”取引と市場買い付けを組み合わせる方法となっています。市場買い付けでは純粋に需給効果が働き、株価上昇を通じてすべての株主に平等に恩恵があります。しかし、市場外取引では、特定の株主に対して有利な価格で大規模に買付を行う可能性があるため、株主還元の恩恵が特定の株主に偏る可能性は否定できません。

 

~おいしい思いをするのは外資

東芝は虎の子のメモリ事業を売却したため、東芝の2部降格⇒東芝メモリ売却⇒自社株買い、という流れによる事業再生プランに参加した機関投資家の多くは、東芝を長期投資の対象として保有するつもりはないと考えられます。とすれば、今回の自社株買いは彼らのエグジット方法(投資先からの資金回収方法)と考えるのが妥当なため、一般の投資家に対する恩恵は限定的かもしれません。

 

ToSTNeT3(市場外取引)における買い付け状況は、適時開示で公表されています。東芝は13日と15日に市場外買い付けを実施し既に1360億円を買い戻しており、報告を見る限りでは市場買い付けを行っていません。今後も一般の投資家(プレッシャーをかけてこない投資家)に対して資金を還元する期待はないため、個人投資家は株価が上がっている今のうちに株を手放すのがいいと思います。